YKKは総合展示会「YKKファスニングクリエーション」で、次世代型や実用化に向けて開発途上のものなど、近未来における可能性を追求したファスナーを相次いで公開した。用途に合わせた商品を開発し、販売市場を広げる。
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次世代型のファスナーは①歯車を内蔵したスライダー(引き手)を装着して左右にダイヤルを回して開閉する②上下の止めをなくしてエンドレスに開閉、円筒形やらせん状に開閉できる③スライダーは一つだが、3方向からかみ合わせることができる④閉めても隙間ができ、隙間からコードを通したり、通気性をもたせることができる⑤十字に交差してそれぞれが開閉できる――など5種類で、市場の要望などを取り込みながら、可能性を探る。
開発途上で、まもなく販売、完成する予定のファスナーでも新商品を公開した。
「エクセラライト」はアルミを原料にし、軽くて光沢感がある。エレメント(かみ合わせの歯)もスライダーもアルミで仕上げた商品で、新たにナンバー10の大きいサイズを完成させる。「シーム・ジップ」では生地と生地を突き合わせ縫製する技術を応用し、パイピングや見返しもなく縫製でき、とりつけた部分の厚みを感じさせず、縫製工程も削減できる。スポーツやカジュアル分野から既に引き合いがあり、本格販売に入る。
「フラットニットファスナー」はニットテープにエレメントを編みこんだもので、軽く薄くソフトで、既にナンバー2と、5を販売しているが、新たにナンバー4のサイズを販売する。「ダブルコイルファスナー」ではエレメントが表・裏2重構造で操作性は良く強度が高く、ピッキングなどでこじ開けられにくい構造になっている。
ナンバー8に続いてナンバー5を発売する。エコ商品では超臨界染色の「エコ・ダイ」やバイオマスを原料にした「植物由来ファスナー」を、「アクアガード・パール調テープ」では止水ファスナーでパール調の顔料を配合したフィルムを使って、見る角度で色が変化するテープを採用する。また「挿入補助スライダー」ではスライダーの胴体形状を変えて、簡単に挿入できる商品を開発した。