YKKが主催する学生を対象にしたファッションコンテスト「第17回YKKファスニングアワード」の授賞式が5日、都内で開かれた。アパレル部門のグランプリは、文化服装学院のカン・ヒョン・グさん、ファッショングッズ部門のグランプリは、文化服装学院のワン・チポンさんが獲得した。
【関連記事】YKK 次世代型ファスナーなどを相次いで公開
応募総数は5216点で、そのうち、アパレル部門が4084点、ファッショングッズ部門1132点。その中からグランプリ(賞金100万円)、優秀賞(同20万円)、審査員特別賞(10万円)、YKK特別賞(同)が部門ごとに選ばれた。受賞者には賞金のほか、トロフィーと創作活動用にYKKファスニング商品(5万円相当分)も贈られた。
アパレル部門グランプリのカンさんの作品テーマは、「トランスフォーマーコート」。複数のスライドファスナーを駆使して、コート、セットアップ、オールインワンという3パターンに変化する。コートの表面を覆ったうろこ状のパーツがアクセントになっており、その数は500。一つひとつに異なるステッチのキルティングが施されている。
審査員の藤田恭一氏は、「作品には迷いが見えてはいけない。この作品は完成までのプロセスがよく見える。作者が自分の迷いのない気持ちを全力投球したということ。力強い良い作品」と評価した。
ファッショングッズ部門グランプリのワンさんの作品テーマは「遊ぶ」。「ルービックキューブとレインボー」を題材に、複数の色の革をスライドファスナーで規則正しくつなぎ合わせて大容量のバッグを作り上げた。
「丁寧に作り込まれ、考え込まれた作品」というのは審査員の三原英詳氏。「作品自体もそうだが、ポートフォリオの時点から遊び心を持って、見せる相手(審査員や観客)を楽しませようとするストーリー性に感動した」と語った。