YKKファスニング事業 100億本突破で増収増益見通し

2019/03/05 16:07 更新


 YKKのファスニング事業の19年3月期連結業績は、売上高3378億円(前期比4%増)、営業利益542億円(3%増)の増収増益を見込む。ファスナー販売本数は前期より6億5000万本増の101億8000万本となり、同社史上初めて100億本を突破する見通しだ。

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 19年度は「さらなる量的成長」を掲げ、売上高3555億円(18年度比5%増)、営業利益584億円(8%増)、ファスナー販売本数111億5000万本(10%増)を計画する。

 ファストファッションや欧米量販店向けのスタンダード商品を引き続き最重要カテゴリーに位置づけ、コスト競争力や供給力を強化。カバン向けファスナーのサイズ拡充や、インドなど新興国の内需向けファスナーの開発、表面処理技術の向上にも注力する。

 開発体制もさらに強固にする。パキスタン、スリランカ、バングラデシュ、メキシコに開発拠点を新設。欧州アパレル向けのスタンダード商品の強化を目的に、トルコの拠点にR&Dセンターとしての機能を加える。開発拠点は40(現在は36)、開発人員は999人(945人)に増やす。

 ファスニング事業では総額489億円を投資し、そのうちアジアに175億円を充てる。ベトナム56億円、インドネシア34億円など増産体制を強める。

 日本では137億円(前年度は99億円)の投資を計画し、生産性向上に努める。黒部事業所の古御堂工場の一部建て替えやFA(ファクトリーオートメーション)設備の導入に65億円かけ、物流も含めた製造工程の見直しで納期を短縮する。また、17年度からJUKIと取り組んでいる、ファスナーの縫製合理化装置の開発をより強める一環で、同工場内に「縫製合理化研究開発室」を新設する。

 環境への顧客意識の高まりを受け、組織体制も変更する。ファスニング事業本部に「ファスニング・サステナビリティ推進室」を新設し、環境対応商品の企画・開発に取り組む。19年内に植物由来ファスナーを開発するほか、環境にやさしい新めっきを使ったジーンズボタンを発売する予定だ。



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