ジーンズカジュアルメーカーのヤード(岡山県倉敷市)は、初の自社縫製工場のヤードアトリエを稼働し、新たな挑戦に踏み出した。メンズ・レディスのオリジナル「オーディナリーフィッツ」で国内の協力工場との取り組みは継続しつつ「自社工場だからこそ実現できるブランドの付加価値に磨きをかけたい」(児玉真社長)考えだ。コロナ下で縫製工場の人材不足が加速したが、物作りの安定と進化を目指す。
(小畔能貴)
ブランドの顔を
「産地にあるからといって安心して物作りができる状況でもなくなってきた」のが、自社工場を始めた一つの理由。ジーンズ産地の児島でも職人の高齢化に加え、コロナ下で人材不足が広がった。多くの縫製工場の生産ラインが先まで埋まってしまい、なかなかブランド側の求める物作りが描きにくくなった。
ヤードアトリエは22年11月、特殊ミシンなど約20台のミシンを揃え、経験者を含む5人でミシンを踏むところから始めた。会社ではサンプルを縫うことはあったが、本生産は初めて。