NYファッション業界に広がるCBD(杉本佳子)

2019/08/28 06:00 更新


ニューヨークのファッション業界で、CBD(カンナビジオール)がじんわりと、そして確実に広がってきている。CBDは、大麻に含まれる成分の1つだ。大麻といっても安全な成分で、ストレスや不安を軽減したり、リラックスしたりしたり、エネルギーを高めたりする効果があると言われている。

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商品カテゴリーは、CBDを含むオイルやスキンケア用品が最も多く出回っている。ニューヨークではその専門店がちらほら見られるようになっているが、ファッション業界ではバーニーズが先駆者の1つといえるだろう。バーニーズは今年3月、ビバリーヒルズ店にCBDを含む健康志向のライフスタイルショップを開設した。サプリやスキンケア商品が中心で、ウエブサイトでも買える。ただし、配送先はアメリカ国内に限られている。

CBDを含むオイルやスキンケア用品を既に売っている、あるいは売り始めると発表したファッション関係の会社には、ABCカーペット&ホーム、アバクロンビー&フィッチ、アメリカンイーグルアウトフィッターズ、セフォラ、アリス+オリビアもある。

 

そんな中、CBDを含む生地を使った服も出てきた。チャイナタウンにある「カムバックデイリー」は、9ヶ月前にオープンしたCBD関連商品専門店。そこでポップアップスタイルで披露されたのが、アカバダというブランドのフィットネスウエアだ。アカバダは、「世界初で唯一のCBDを含むアクティブウエア」を謳っている。

 

売り場には、商品説明のポップもディスプレイ。値段はタンクトップで100ドル台半ばと、決して安くはない。

 

カムバックイージーの店内には、自動販売機もある。商品棚にも多くのオイルやスキンケア用品が並んでいるのだが、自動販売機もあるということは、自分が何を欲しいかわかっているお客がそれなりにいるということなのだろう。


ちなみに、カムバックデイリーに何が一番売れているか聞いたところ、「CBD入りのジュース」との答えが返ってきた。フレーバーは、ブルーベリーミントが一番人気があるらしい。

 

せっかくなので、それを1本買って飲んでみた。しかし正直なところ、私にはその効果が実感できない。CBD入りの生地でできた服が、リラックス効果やエネルギーを高めてくれるのかどうかもまったくわからない。1つだけわかっていることは、効果のほどは別として、参入するファッション関係の会社が確実に増えていて、おそらく今後も増えていくだろうということだ。

数か月前に出席したあるコンファレンスで、カナダでCBDを含む商品を売っている会社の創業者に会った。「日本人の投資家、多いんですよ」と言われた。ということは、この分野の将来性を期待している日本人がそれなりにいるということだろう。

CBD入りの商品が今後どこまで増えていくのか、ファッションにどういう影響を与えていくのか、日本でも広がっていくのか、しばらく目が離せない。

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89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ



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