ワールドの公式ECサイト「ワールドオンラインストア」(WOS)は、昨年10月に公式アプリを刷新。以後、アプリ経由のEC売り上げが前年比200%で推移している。
WOSは、40超の自社ブランドのほか「グンゼ」「クリニーク」など20ブランドほどの他社ブランドの販売も行うプラットフォーム的な側面も持つ。近年、認知向上を図るため、外部モール向けの施策を強化し、急伸中だが、自社EC比率も約6割と高い水準を保つ。
稼働会員V字回復
アプリ刷新は、ページ遷移速度の向上や、様々なUI改善をかなえるため、「しっかりゼロからネイティブで作り直した」と、EC部門を管掌する小川潮ワールドグループ常務執行役員。刷新時にリセットしたダウンロード数は、全国2000店舗のネットワークを生かし、既に100万近い。
このほか、WOSが強みとしているのが2010年時と、早くから手掛けてきたCRM(顧客管理)の運用だ。オンライン含む会員カード発行数は累計3260万(23年3月末時点)。このうちIDと個人情報がひもづいた会員登録者数が1115万人で、400万~500万人が年間稼働中。ピーク時と比べ、いったんコロナで減少したが、現在V字回復の途上にある。この500万人弱の会員の行動データをセグメントして分析し、メール、アプリ、LINEなどでアプローチする。
新規客をさらに
店舗、ECとシームレスになったCRM同様、販売スタッフのオンライン上での活躍にも力を入れる。昨夏にはOMO(オンラインとオフラインの融合)推進部を設置し、スタッフによるコーディネート画像やブログの投稿をサポート中だ。
今後は、新規客の更なる取り込みも目指し、一層のコンテンツの充実やUI改善など、基本を常に磨きながら、サイトの魅力を高めるとしている。