「ワンダーマウンテン」(広島・福山市)代表の大森雅之さん 自分たちの中に答えがある

2023/08/17 12:30 更新


大森雅之代表

 コロナ禍に本店を移転した広島県福山市の「ワンダーマウンテン」(運営レック)。大森雅之代表は「元々広い場所を探していたのもあるが、コロナが落ち着いたら新しいことをしたい」との思いで、22年の始めに同じ中心街で徒歩数分の立地を選んだ。まずは2階建ての1階(約132平方メートル)のみオープンした。

 「都会と地方ではコロナ禍の受け止めや意識が大きく異なった。地方の方がデリケートだった」と強調する。社会や消費者の価値観も大きく変わった。「デジタルシフトか、リアル重視かという単純な二項対立ではない。客の行動にはデジタルもリアルも多様な選択肢があり、重なり合う部分も多い。ファッション市場もモノがあふれ、カテゴリーが細分化してしまったため、自分の興味ある分野以外で選ぶことが難しくなった。だからこそ、セレクトや編集力が重要になる」と考える。

 同店ではこれまでも服で、ストリートからアメカジ、アウトドアとジャンルレスな品揃えをしてきた。賛否があったとしても「自分たちがやりたいかどうかが答え」ということはこれからも変わらない。本店は「自分たちのスタンスを表現する場なので、服以外も自由に扱えるようにする。常識を超えることで柔軟な発想が生まれる」と大森代表。店内には巨大なスピーカーを設置し、アフリカの民芸品も並ぶ。今後、日本の民芸・工芸をアップデートしたオリジナルも販売する予定。

 こうした自由度を広げるためにも、「貫いてきた感性でつながってきた自店のファンに濃度の高いキュレーションを提供しなければならない」と常に進化が止まらない。

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