ウィゴー、古着の再強化実る アメ村に単独店も

2017/03/29 06:28 更新


 ウィゴー(東京、中澤征史社長)の古着の販売が好調だ。品揃えや提案を強化した17年2月期は、古着の売り上げが前年比30~40%伸びた。

 若い男女の間で「ビッグシルエット」「90年代」がトレンドに浮上したほか、古着を着たことが無い層にも分かりやすい売り場編集が実った。4月1日には、大阪・アメリカ村に古着だけを販売する新店をオープンする。

 元々、古着店として創業した同社。現在も大型店など約30店前後のウィゴーで古着を販売しているが、「4年前から改めて古着を再強化してきた」(園田恭輔取締役ウィゴー事業部事業部長)。13年に改装した「ウィゴー」原宿本店に90年代古着コーナーを設置、スポーツブランドなどを集積し、若者に向けて訴求してきた。少しずつ反応が良くなっていたため、昨年は古着の仕掛けを強めた。

 米国、欧州などの古着調達ルートを見直し、バイイングを強化した。売り場でも古着を単品で訴求するのではなく、「スポーツ」「スケーター」「グランジ」などテーマごとに編集し、客に「この古着はこうやって着合わせると良い古着なんだ」と伝わる陳列を心掛けた。春は原宿本店で約1週間、厳選した80~90年代古着とリメイク商品の期間限定店を開設、秋は東京・明治通り沿いの「スーパーウィゴー」原宿店をレディス業態から古着のみの店に改装した。

「スーパーウィゴー」原宿店の90年代、スポーツミックスを意識した売り場

 スーパーウィゴー原宿店は改装後、若者だけでなく、古着好きの大人や外国人にまで客層が拡大、滞在時間も伸びた。客単価は改装前の倍近い5000~6000円に上昇し、売り上げも伸びた。最近は加工の利いた太めジーンズや大きめGジャン、ナイロンジャケット、スウェットパーカ、Tシャツなどが売れているという。

 同店の好調を受け、大阪・アメリカ村にも古着単独店を開く。場所はカルチャーとライフスタイルを発信する個性派本屋「スタンダードブックストア」心斎橋店の1階。これまで同本屋が1階と地下1階に入居していたが、その地上階にウィゴーアメリカ村店が入る。売り場面積は330平方メートルで、90年代の古着を中心に揃える。

 ウィゴー業態の17年2月期売上高は前期比約3%増の345億円。実店舗とECで16店純増したほか、ECが10%以上伸びて寄与した。期末店舗数は153。今期は10店の純増予定。

「スーパーウィゴー」原宿店の入り口付近では、最近反応の良いビッグシルエットスタイルを推している


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