アウトレットECモール「スマセル」を運営するウィファブリック(大阪市)は、大阪市住之江区にSDGs(持続可能な開発目標)を体験できる複合施設をオープンした。ファッションと環境問題について、買い物や飲食を通じて知ってもらう場と位置付ける。
(古川富雄)
施設名はスマセル・サステナブルコミューン。鉄工所跡地をリノベーションし、廃車になった赤い2階建てロンドンバスがシンボルになっている。面積は約660平方メートル。スマセルで扱うアパレル在庫の販売だけではなく、SDGsを取り組むブランドなどが出店している。「おいしい、楽しい、かわいいという体験を通してSDGsを身近に感じてもらう」(福屋剛社長)。購入するごとに森林保全団体、難民支援などの団体に100円を寄付できる仕組みも取り入れた。
1階はファッション系ブランドが揃う。アダストリアの子会社が展開するDtoC(消費者直販)ブランド「O0u」(オーゼロユー)、三陽商会のサステイナブルファッションブランド「エコアルフ」、世界中から集めたビンテージや古着の「アイムシップシェイプ」などが出店する。俳優の井浦新・あい夫妻が手掛けるサステイナブルコスメブランド「Kruhi」もある。
2階はライフスタイルブランドが出店。陶磁器製造のニッコーは、売り物にならないボーンチャイナを肥料にアップサイクルする取り組みを紹介している。インテリアショップのリスタイル(愛知県春日井市)は、再生家具や中古家具のアップサイクル商品などを販売する。
同コミューンのクリエイティブディレクターを務めるデザイナーの久保嘉男氏は、「服はデザインをコピーしないことが必要。どこにもないデザインの服は捨てられない」と話した。バングラデシュの工場で出たキャンセル品に久保氏がデザインを加え、アップサイクルした商品も展示販売している。
スマセルはアパレル在庫を廃棄せずに流通させるオンラインマーケットで、ユーザーは25万人を超えている。