ワコールホールディングス(HD)は、シナジーの薄いグループ会社見直し策の一環として、マネキン・施工の七彩(京都市)の所有株式544万株のうち、463万株を物流のセンコーグループホールディングス(東京)に譲渡することを決めた。7月1日付の譲渡を予定する。譲渡後の議決権所有割合15%弱となり、連結子会社から外れることになる。譲渡額は非公表、業績への影響は25年3月期の予想に織り込んでいる。
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また、アセットライト化推進のため、東京都台東区に持つ土地・建物(ワコール浅草橋ビル)の売却を決めた。4月末に譲渡契約を結んでおり、6月28日に引き渡しの予定。譲渡益は10億8000万円を見込んでいる。コロナ禍での在宅勤務増などを背景に、機能を千代田区のワコール麹町ビルに集約する。そのほかの保有不動産に関しても引き続き売却を検討していく予定だ。
一方、苦戦の続くワコール単体は、人件費削減やコスト構造の改革を進めているが、まだ道半ばの段階。当面の具体策として、24年秋冬から「ワコール」のリブランディングを実施。また、7月をめどに店頭の品切れ防止や適正在庫の配備策を具体化、次のステップとして需要連動型の生産・在庫体制の完成を目指す方針だ。5月23日には、一連の構造改革の進展状況などを公表する。