本と服飾雑貨販売のヴィレッジヴァンガードコーポレーションがAI(人工知能)と映像のバーチャルロボットの店頭接客・コンテンツ販売に向けた実証実験を開始する。
自然言語処理分野AI開発のモノゴコロ(東京)と組んで、キャラクターの「渋谷めぐる」を開発、7月14日にオープンする東京・渋谷本店から、同キャラクターが現れるサイネージを導入する。その後はキャラクター関連の本、着用する洋服などAIから生まれるコンテンツを仕掛けていく考え。
同社は「AIと客との対話が新たなビジネスを生む」という視点に立って開発を進めている。モノゴコロが開発するAIは、自然言語処理システムを駆使し、人間の感情や情緒を読みとって会話ができる。接客の範囲は、販売商品に関することだけでなく、自然な会話も可能だ。
7月14日にオープンする渋谷本店で、渋谷めぐるが立つ接客サイネージを導入し、一般客と対話を開始する。商品の豊富な知識だけでなく、客のその時の気分や嗜好(しこう)を読み取り、学習していく“スーパー販売員”へと育てる。
また、AIを介して蓄積されるデータ、さらにデータ解析した仮説から生まれるコンテンツを販売していくことを想定する。例えば、来店者と接する渋谷めぐるの日記といった読み物を書籍として販売したり、不特定多数の嗜好を解析したライフスタイル関連商品販売などにも挑む。
同社の主力事業である本、音楽CD販売は、ネットやデジタル化で販売が厳しい。加えて、10~20代の若い世代は、人と接するよりも2次元キャラクターと接する方が親近感が強いとする。こうした嗜好変化に対応するため、キャラクターAIを店頭に導入し、さらに本・CD・服飾雑貨販売でのコンテンツ開発につなげる考え。
来年3月には大手小売業と組んでAIを駆使した販売イベントも企画している。