《視点》転売誓約書

2026/08/18 06:23 更新NEW!


 取材先の社長がカーディーラーへ車を買いに行った話を聞かせてくれた。見積もりを取ってもらった時に転売防止の誓約書も一筆書かされたという。

 理由は「メーカーから車を卸してもらえなくなる恐れがあるから」。車の仕入れができないとディーラーは売り上げが立たない。誓約書に法的拘束力は無いようだが、転売を少しでも防ぎたい気持ちは理解できる。メーカーの意向が販売現場まで及ぶほど、車業界ではメーカーの影響力が強いことがうかがえる。

 ひるがえって、記者が取材しているアパレル業界はどうか。小売りサイドの力が強く、厳しい価格交渉やクイック生産による短納期対応をアパレルメーカーは迫られる。取材するアパレルメーカーの多くが疲弊している。もし要求に応えられないと、「『他で買うだけ』と言われる」と話すアパレルメーカーもいる。

 日本経済は自由競争だし、「ブランド力がないから立場が弱い」と言われればそれまでかもしれない。しかし、この構造が持続可能な産業につながるのだろうか。

(森)



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事