10年以上使っていた電子レンジがついに壊れてしまったので、買い替えのために家電量販店の電子レンジコーナーに行った。すると、実に多くの種類があることに驚いた。価格と機能に差はあるものの、素人的には見た目はほぼ一緒。判で押したように、どれも真四角の白か黒で統一されている。製品はたくさんあるが、欲しいものはない。選びようがなく、妻と途方に暮れてしまった。
「売れる商品には顔がある」。こう言うのは、ある地方の有力アウトドア専門店の名物オーナーだ。他の製品と明らかに異なる、個性を感じさせる面構えがあるかどうかが、商品の良しあしに直結するということだ。顔という言葉を、「十八番(おはこ)」と言い換えてもいいだろう。
「〇〇ブランドといえば、××」「××といえば、〇〇ブランド」。メーカーであれば、どんな人にもこう思われるような物を作りたいし、小売店であれば、規模の大小を問わず、カテゴリーごとに顔立ちのはっきりした商品を揃えて、お客に提案したい。
(潤)