《視点》顔

2022/06/02 06:23 更新


 10年以上使っていた電子レンジがついに壊れてしまったので、買い替えのために家電量販店の電子レンジコーナーに行った。すると、実に多くの種類があることに驚いた。価格と機能に差はあるものの、素人的には見た目はほぼ一緒。判で押したように、どれも真四角の白か黒で統一されている。製品はたくさんあるが、欲しいものはない。選びようがなく、妻と途方に暮れてしまった。

 「売れる商品には顔がある」。こう言うのは、ある地方の有力アウトドア専門店の名物オーナーだ。他の製品と明らかに異なる、個性を感じさせる面構えがあるかどうかが、商品の良しあしに直結するということだ。顔という言葉を、「十八番(おはこ)」と言い換えてもいいだろう。

 「〇〇ブランドといえば、××」「××といえば、〇〇ブランド」。メーカーであれば、どんな人にもこう思われるような物を作りたいし、小売店であれば、規模の大小を問わず、カテゴリーごとに顔立ちのはっきりした商品を揃えて、お客に提案したい。

(潤)



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