《視点》検索疲れ

2022/05/13 06:23 更新


 ツイッターで、相互フォローしている人が「グレーや明るい色の服が好きなのに、汗かきなので春夏は汗じみが気になって着られない」と悩む投稿を見かけた。

 ファッションECモールで汗じみ防止機能のある商品を一括検索することを勧めてみたが、「商品ごとに探すのが面倒なので、全商品が汗じみ防止のブランドがあったらいいのに」とのこと。口調からは、そうとう検索疲れしている様子が読み取れた。

 私もグーグルやBingで検索したが、見つけられなかった。代わりに、やはりECモール内の検索結果や、コーディネート・アイテムをまとめた情報サイトが検索結果の上位を占めた。それらを見ればある程度の情報を入手できるが、好みのデザインや予算に沿う商品を吟味する過程は残る。おっくうに感じるのも仕方ないのかもしれない。

 心理学には「選択のパラドックス」という概念があるそうだ。選択肢が多すぎると、幸福度が下がってしまう。情報も商品もあふれかえっている今、消費者に選ばせること以上に、選ぶ労力を減らすための工夫が必要なのかもしれない。パーソナルスタイリストなど提案型サービスの人気の理由を改めて納得するできごとだった。

(稜)



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