新型コロナウイルスの感染拡大が続き、服地コンバーターや染工場では、アパレル向けテキスタイルの受注停滞の影響が長引いている。4~6月に対面営業が困難となったことで「7月以降の売り上げのめどが立たない」とする企業もあり、「かつてない最悪の事業環境」となっている。
その一方で「物事を見直して一から変える絶好期」とポジティブにとらえる企業は少なくない。リアル展示会のすべてをオンラインには置き換えられないが、SNSや動画共有サービスを活用した発信やウェブ上での商談は、一定の効果をあげてきた。
また、物作りのノウハウやネットワークを生かしたマスクやエコバッグなどの商品開発をはじめ、従来なら、はばかられてきたBtoC(企業対消費者取引)やDtoC(メーカー直販)の新しい取り組みも始まっている。
コロナ禍を節目にアパレルSCM(サプライチェーンマネジメント)や消費者の購買動向が大きく変化するとみる企業トップも多い。「発想を柔軟に切り替えて」、既存の慣習・慣行にとらわれない事業見直しが始まっている。
(阿)