新型コロナウイルスの影響により経済活動が停滞し、多くの労働者に影響が出ている。記者の知人では「収入源が一つだけだと、会社が倒産した場合、リスクが大きい」と、副業や兼業に興味を示す人が増えた。政府も副業・兼業の促進に関するガイドラインを形成するなど、普及に向けた取り組みをしている。
革製品を製造販売する岐阜の個人事業主に取材に行った際、「不況を見据えて、複数の仕事をしなければならない時代」という言葉が響いた。革製品の本業以外では、建物解体や携帯電話の訪問販売など様々な仕事で収入を得て忙しいそうだが、趣味のキャンプを楽しめる時間を確保しながら充実した生活を送っている。
副業・兼業は収入が増え、金銭面の不安の緩和はもちろん、本業では磨かれないスキルを得ることができ、キャリアアップにもつながる。仕事マッチングサイトが普及し、在宅で仕事できる仕組みが形成され、環境も整っている。
現状「本業がおろそかになる」と多くの企業が副業、兼業を禁止にしている。早期退職を募る企業が年々増加し、終身雇用制度の崩壊と言われる中、企業には労働者が自由に選択できる仕組みを作ることが求められる。
(悠)