《視点》顧客との一体感

2020/05/08 06:23 更新


 新型コロナウイルスの感染が広がり、外出自粛が続く中で家の中での過ごし方が話題になるが、顧客との一体感の強いブランドは顧客との関係を工夫しながらつなげている。

 生活雑貨店「フライングタイガーコペンハーゲン」は顧客組織としてパーティー部とクラフト部を持っているが、この部長からチャットアプリを通じて「こんな時だから何かしましょう」という提案があり、緊急事態宣伝の最中、家の中での楽しく過ごすヒントやアイデアを募集する取り組みに着手した。応募が相次ぎ、期間中、アイデアを受けた商品を急きょ企画し販売、好評だったという。

 実店舗閉鎖中も顧客がブランドとともに活動しようという意欲を見せているわけで、例え売り上げが落ちても顧客とブランドとの結びつきは保たれているということだ。やはり日ごろの顧客戦略を積み重ねてきたことが緊急事態でも生かされるということだろう。もちろん感染が終息するまでは売り上げが厳しいはずだが、顧客のブランドへの思いが続いているという状況はブランド側にとって大きな支えとなっているはずだ。

(武)



この記事に関連する記事