《視点》メリハリ

2019/07/23 06:23 更新


 足で稼いだ証拠とばかりにヒラメ筋を見せ付ける熱血営業マンと、メールやクラウドを通じてスマートに取引先とやりとりをする今時な営業マン。そんな広告を目にしたことがあるが、どちらが正解なのだろうか。

 今年、周年を迎えた老舗メーカーの社長への取材では、「うちはフェイス・トゥー・フェイスの営業が社是と、新入社員説明会でも伝えています」としていた。全国津々浦々、何千軒とある専門店をはじめとする小売店に、最低でも年1回、多いところでは毎月、毎週のように営業担当が顔を出し、商品動向や困りごとなどを伺う。「電話やメールでは用件しか分からないが、直接伺えば、実は…なんてこぼれ話が出る。そこに重要な情報があることも多い」。展示会への案内も「DM1枚出すのと、直接お声がけするのでは、響き方が違う」と話す。

 我が身を振り返っても、顔を見知っている担当者と、そうでないケースでは取材のアポイントの入り具合も変わってくる。ちょっと顔を出したレセプションで懐かしい方にお会いし、思わぬニュースを得られることもある。一方で、メールでのやりとりが互いに便利なケースがあることも確かだ。そのメリハリのつけ方が、ポイントなのかもしれないとも思う。

(維)



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