《視点》定義の改定

2018/11/27 06:23 更新


 先日、パリの国際会議で、キログラムやアンペアなど四つの単位の定義が改定された。特に、質量の単位であるキログラムは、130年ぶりの見直しで、注目された。

 これまで1キログラムは、白金とイリジウムの合金でできた「国際キログラム原器」という分銅の質量が基準となっていた。その原器は厳重に保管されてきたが、年月を経るにつれ、わずかに軽くなっている可能性が出てきたという。そのため、物理学の「プランク定数」をもとに、新たに定め直した。測定技術の進歩によって、より不変の値を用いた定義が可能になったのだ。

 ビジネスの世界でも、時代の変化や業態革新に合わせて、共通言語となる用語の定義を見直す作業は必要だ。

 例えば、アパレルメーカーにとっての「売り上げ」。小売店に納めて売り上げとするか、消費者の購買をもって売り上げとするかは、会社によって定義が異なる。しかし、在庫管理の精度を高め、消費者起点で物事を考えやすい定義がどちらなのかは、既に明白になっている。

(潤)



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