3月でJR三江線が廃止されるというので昨年末に乗りに行った。乗ったのは日没後ということもあってそれほど混んではいなかったのだが、昼間はかなり混んでいるようだ。
青春18きっぷが利用できる期間であり、乗客の大半が同切符の利用客だ。改札口で見ているとそのことがよくわかる。多くのローカル線で青春18きっぷの利用期間であれば乗客が増えるのは普通のことだ。しかしこの切符はローカル線の収入実績にも利用実績にも反映されない。
青春18きっぷが鉄道旅行の動機になっているはずで、私もこの切符がなければローカル線などに出向く頻度が減るのは間違いない。
この切符は年間70万枚以上の販売実績がある安定人気商品だ。ローカル線だけでなく幹線で利用する客も多い。人気の理由はJRの全国ネットワークの乗り降りし放題と安さだろう。普通列車に限られるが、使い勝手の良さが魅力だ。
ローカル線の廃止や運行本数削減、第三セクターへの移行が取りざたされるが、JRが運営する在来線が減れば減るほど利用価値が下がる。採算性や効率だけを追求すると、思わぬところでしっぺ返しを食うことがある。ファッション業界でもありうる話だ。(武)