《視点》時代の変化

2018/02/20 04:00 更新


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 先日、髪を切ってもらいながら美容師さんと話をしていると、「実は、今度10年ぶりくらいで、社員旅行に行くんです」と言う。そんなに久しぶりになぜ企画したのかと尋ねると「就活の学生向けに、福利厚生面での充実をアピールしたいんだと思いますよ」とのこと。

 休日の取得をはじめ、福利厚生を気にする学生は多い。なおかつ「親御さんのチェックも入りますから」と、人手不足の折、募集する側もかなり気を使って労働環境を整えている様子がうかがえた。

 十数年くらい前に、とあるファッションブランドで「面接の時に、福利厚生はどうなってますかなんて聞く子が来て、なんかがっかり」という話を聞いた覚えがある。当時は、そんな話題を口にすることすらタブーだったわけだ。

 仕事やブランドが好きならば、少々ブラックさがあっても食らい付いてくるのが当然、という根性論は、今は〝好きの搾取〟と批判される。そこに美学を見ていた経営者もいたかもしれないが、昔の感覚のままでは、もはや誰もいなくなってしまう。そんな時代に入ったなと思う。

(維)



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