《視点》日曜は休みに

2018/02/09 04:00 更新


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 「海外旅行に行きたいなぁ…」。久しぶりに会ったメンズカジュアル専門店の社長が疲れ顔でそうつぶやいた。行きたくても行けない。人手不足で休みが取れないのだ。

 この間休み無しでの出勤が続く。年末年始は過去に働いていたスタッフに応援要請し何とか乗り切った。求人サイトで募集しても、「砂漠に水滴を落とすようなもの」と、ほとんど反応が無い。取材中、販売員から「私以外スタッフがいないので店に戻ってきて下さい」と携帯が鳴っていた。どの小売業者を取材しても人手不足は深刻だ。

 だが、これは逆に働き方を見直す良い機会でもある。例えば、採用の大きなネックになっている日曜営業をやめてみる。同社は路面専門店なので社長の裁量で判断できるはず。売り上げ低下は心配だろうが、リフレッシュした販売員の生産性や定着率が上がるかもしれない。実際、海外を見渡すと日曜休みの小売業は多い。

 あくまで例えばの話だが、何かを得るには何かを失う覚悟が必要。彼が海外旅行に行けることを祈っている。

(森)



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