《視点》急がない

2017/06/29 04:00 更新


 「実は急ぐ必要はなかったのではないか」とGMS(総合小売業)の衣料品のレディス商品担当。商品企画に際して、これからはやるものは何かをまず考えてきたが、入り口が違っていたのではないかと振り返る。

 GMSの衣料品は改革が求められるが、全体として売り場の圧縮を進める中で何を残すかが焦点になる。そこで売り場で本当に何が求められているかが点検されている。無理に急いでトレンド対応しようとするのではなく、日常の利便性の提供であったり、不満の解消が入り口として適切、といったところに至ったわけだ。

 ファッションといっても、無理した非日常的なものを揃えるのではなく、食料品売り場に来る消費者の日常に応えることに集中、あわてずに不満を探し、解消策を打ち出したいところだ。

 30代、40代女性に「私たちの売り場じゃない」として素通りされてきたことが今の厳しさを導いた。開発だけでなく商品の売り方、見せ方、伝え方も改革・改善しないといけないが、日常の不満の解消をベースとして定着させることが、生きる道に通じそうだ。

(光)



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