《視点》盲点

2017/06/13 04:00 更新


 おしゃれな白衣を提案して業績を伸ばしているクラシコ。取材してみると、商品開発のきっかけは医師である友人の不満だったという。「白衣は数十年もの間ほとんど商品が変化せず、安価で、ペラペラで薄いポリエステル製品が中心」だという。白衣は日々進化するファッションに取り残され、そのアンバランスさは際立っていたのだろう。

 結果からいえば、白衣はかなり遅れていたんだなと思うが、マーケットの仕組みがルーチンになっていると、盲点になって気がつかないのかもしれない。おしゃれな白衣が欲しいという要望が潜在的にはあっても、顕在化するほどではなかったことが商品開発の停滞を招いたようだ。

 ある意味では、こうした潜在的なニーズをどうくみ取っていくかが難しい。白衣の場合、ほとんどが代理店を通しての販売で、メーカーとユーザーが直接接する機会が少なかったという。こうした見逃しているマーケット開拓の切り口は意外にもいろいろとあるのではないだろうか。(武)



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