《視点》食のブランディング

2017/06/02 04:00 更新


 ファッション企業が手がけるカフェやレストラン、食物販など、飲食関連の取材が増えている。独自のノウハウに学ぶことも多い。以前、飲食事業の責任者を取材した際も、「レストランは提供する商品がブレたら翌日にも修正できる」と聞いてなるほどと思った。ファッションのMDとは全く異なるスピード感だ。

 ただ、ファッションやライフスタイルの店に併設されたカフェの中には、たまに「これでいいの?」と感じるケースも。内装はおしゃれでメニューや食材もトレンドのものだが、服に比べて割高だったり、ブランドの雰囲気と合っていない印象を受けることがある。

 服や雑貨、飲食などを扱うブランドの担当者の、「大切なのはスタイルがあること」という言葉を思い出した。自分たちの客はどんな人たちで、なぜこの料理を出すのか。そこにも服同様、ブランドらしさや理念のようなものがあるべきではないだろうか。飲食でも他の新事業でも、ファッション企業が持つブランディングのノウハウを置き忘れてしまうのはもったいない。(石)



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