《視点》お客様ファースト

2017/04/25 04:00 更新


 あるマタニティー・ベビー用品の専門店は、店内に「撮影禁止」「セルフではないため、手に取る際はお声掛けを」などの注意書きが目立った。店は「お客様ファーストが行き過ぎた結果、客のモラルが低下している」と嘆く。

 先日、店内で小さな子供がお漏らしした。親はただ立ち尽くし、店員の清掃を手伝うことも、おわびもお礼も無いことに店員はあぜんとしたと言う。

 別の雑貨店では、子供が包装袋を開け、商品を床にぶちまけても、店員は客を、親は子供を注意しなかったそうだ。

 ある婦人服専門店では、1年前に購入したコートのボタンの一つが取れて無くなったと客が持ち込んだ。メーカーに同じボタンがなく、店主は別のボタンを手配し、全部付け替えた。お直し屋と勘違いしているのかと、店は客の態度が腑(ふ)に落ちなかったという。

 サービスなど何事も行き過ぎると弊害が生じる。店のいら立ちやあきらめが感じられたが、「次回から気を付けて」「こうして欲しい」と丁寧に伝えることも、店にも客にも気持ちのよい空間作りに必要では。(裕)



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