ベトナムの繊維産業はアジアにおけるハブ機能を発揮しながら今後も継続して成長することが見込まれる。しかし、糸を中心とした差別化原料調達や、加工技術の高度化が同国の課題として挙げられる。これらの課題に対して、物作りにたけた繊維商社はサプライチェーンのなかで、的確なソリューションを提供し、存在感を発揮する。
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中部に500人規模工場
トーレ・インターナショナル・ベトナムはベトナム中部を基点としたサプライチェーンを構築する。クアンガイで100%出資の縫製工場を22年8月に立ち上げ、23年3月からはフル稼働で、従業員は500人規模。北米市場向けを主力に、欧州や日本向けのアウトドアウェア関連の布帛製品を中心に生産する。同工場はベトナムにおけるマザーファクトリーとしての位置付けで、協力工場を組織して、サプライチェーン基盤を強化する。現地での生地開発についても「東レの素材に立脚した開発を、現地の協力工場とともに高度化を図っていく」方針。東レの原糸に、機能性を付加するなど、メーカー系商社の強みを発揮する。ファイバー事業は多様なシューズ向け商材を揃えながら、販売先の社数を拡大してリスク分散を図る方針だ。一方、非繊維では水処理関連事業で、発電所や工場設備向けなど工業用途が堅調な販売となっている。「工業用途は、今後、排水などの環境問題対応で規制が厳しくなるはず。ベトナム国内での需要は確実に高まる」とみている。
変化対応し販売伸長
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