通勤や旅行、オケージョンなどの需要が増加し、夏物の動きが良かった。月初の大型連休は地方客やインバウンド(訪日外国人)の来店で、コロナ禍前のにぎわいを取り戻した。コロナ禍で着用シーンを限定しないシンプルなデザインが主流だったが、「色、柄や装飾性のあるものが浮上しており、もう一度ファッションとしての要素を復活させていきたい」(伊勢丹新宿本店)と手応えを見せている。秋冬に向けて、さらにトレンドやモードの打ち出しを強める。(価格は税込み)
伊勢丹新宿本店「リスタイル」
ドレス中心に高単価商品
売り上げは前年比20%増で、コロナ禍前の18年5月実績を上回った。買い上げ客数はコロナ前に比べて2割減少したが、客単価の上昇で補って2ケタ増となった。セット率の向上、一品単価の増加が寄与した。大型連休を機に、デザイン性のある高単価の商品が一気に動いた。パフスリーブやレース、リボン、ラッフル使いなど装飾性のあるアイテムがよかった。「セシリー・バンセン」のロマンティックでフェミニンなドレスは40万円前後の単価ながら、売れ行きが良かった。インポートは「マーレット」のほか、コンパクトなフォルムの「ジャックムス」など、国内は「マメ・クロゴウチ」、ファッショナブルな着こなしができる「テルマ」のドレスなどが売れた。夏物のプロパー消化率は65%で、6月末で77%に達する見通し。7月のセールに向けて、最盛期となる盛夏物と、サングラス、バッグの雑貨、秋冬のプレ企画を柱に品揃えする。