浅草の婦人靴メーカー、アポロは26年秋冬に向けて、婦人靴の新ブランド「nu;et」(ヌエット)を立ち上げた。ミニマルなフォルム、クラフトマンシップの遊び心、都会的な軽やかさを特徴に、長く履き続けられるベーシックスタイルを身近な価格帯で提供する。
(須田渉美)
「スニーカーを履きなれた人も心地良く履ける作りにこだわった。より多くの人たちの日常使いの一足を作っていきたい」と話すのは南弘志社長。56年に創業したアポロは、日本の婦人靴メーカーの中でもハイヒールで卓越した技術力を持つ。OEM(相手先ブランドによる生産)に加え、17年に始めた「ヘンリエンヴァーゴ」はセレクトショップ向けで実績を上げてきた。フェミニンなムードで切れのあるシルエットが強みだ。新たな挑戦として、ヌエットはマスキュリンな要素も備え、自然体で履けるデザインを作る。企画のチームには、シューズデザイナーとしてキャリアの長い榎本郁栄さんが加わった。
26年秋冬は「不完全な美の肯定」をテーマに製作。効率化された機械生産では表現できない、体温の宿る美しさと履き心地を感じてもらいたいという思いを込めた。
シープスキンのバレエシューズ(税抜き2万9000円)は、緩やかなスクエアトウで履き口をパッデッドで造形的に見せた。足をすっぽりと包み込んで足先も柔らか。熟練の技が詰まっているのは、スマートな曲線のスリッポン(3万円)だ。キップのベロアを使い、かかとのみを縫い合わせ、深履きのカットで品良く見せる。足の形にフィットし、かかとの作りもソフトに調整している。


ほかにも、バンプをきりりと立たせたローファー、シアーなチュールにレザーを切り替えてレースアップでつないだブーツなど8型を揃えた。
