ユニークなコンセプトのホステルやホテルが続々登場し、もはやただの宿泊施設にとどまりません。足を運ばせる仕掛けは、アパレル業界にとってもヒントになりそうです。 秘訣①「世界中の人と夜までわいわい」 秘訣②「皆の願望『楽しいまま寝落ち』」 に――続く秘訣とは?
秘訣③ 近未来のIoT体験にどっぷり
アンドホステル/福岡市博多区
8月、福岡市博多区にオープンした「アンドホステル」は、最先端のIoTデバイス体験が売りの「日本初のスマートホステル」。 ホステル事業やシステム開発事業などのBIJ(東京)とスマートフォンアプリ事業のアンドファクトリー(東京)が共同で手掛けました。アジアの玄関口、福岡で「近未来のIoT」体験を観光資源としてアピールしています。
館内に11種類のデバイスを集結。 スマホやタブレットと連携できる高機能学習リモコンや部屋にいながら世界の美しい風景が楽しめるデジタル窓、ハンズフリーで様々な情報を取得できる透過式メガネ型端末、スマートキーなどを使うことができます。
秘訣④ 甘酸っぱいシチュエーション提供
檸檬ホテル/瀬戸内海・豊島
飲食店「スープ・ストック・トーキョー」を運営するスマイルズ(東京)は7月、瀬戸内海の離島のひとつ、豊島(てしま)に「檸檬ホテル」を開業しました。 瀬戸内国際芸術祭のアート作品の一つでもあり、豊島の名物であるレモンさながらの甘酸っぱい体験を提供します。
築90年の古民家を、1日1組が宿泊できる施設にリノベーション。 1320平方㍍のレモン畑を堪能しながら、島で採れた野菜や魚を島内産のレモンやオリーブオイルで調理した料理が食べられます。 最大の特徴は、アート作品ならではのユニークな仕掛け。 来館者は2人1組になるとヘッドホンを装着し、流れてくる音声に従うよう促されます。「ほほレモンしなさい」という指示を聞いた瞬間、2人は顔を寄せ、ほほの間にレモンを挟み、自撮りをしなければなりません。そこで生まれる「来館者の胸に去来した淡くわずかな記憶のようなものが作品」と遠山正道社長。 「♯ほほレモンしなさい」というハッシュタグでインスタグラムにアップすることも促しており、既に260件以上の笑顔あふれる写真がアップされています。
レモンが包めるニット、通称「レモンのお洋服」というグッズも企画。豊島レモンに付けた状態で1200円で販売しています。 「まずは檸檬ホテルがしっかりと豊島に根付き、愛される存在になってほしい」と願っています。