【ロンドン=若月美奈通信員】ファーストリテイリングの「ユニクロ」と「セオリー」の欧州初の複合型店舗がロンドンのリージェントストリートにオープンした。売り場面積は1900平方メートルで、地上1、2階、地下1階にあるユニクロと、1階北側の角地に面したセオリーが内部でつながり行き来できる。ロンドンを代表するショッピングストリートの大型店を通じて、セオリーの知名度向上を図るとともに両ブランドの英国事業を強化する。
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サビルローに通じる小道を挟み「バーバリー」と隣接するこの建物は、カジュアルブランド「スーパードライ」の跡地だが、それ以前は長年「オースチンリード」があった歴史的建造物。地下1階の一角には1世紀前から理髪店があり、当時のカウンターテーブルや大理石の壁を残したアールデコ調の部屋には定番商品のコーナーとともにユニクロ初のリペアスタジオを開設した。森川真彦氏による東ロンドンの縫製工房スタジオ・マサチュカと提携し、日本の伝統的な刺し子の技術を使った修理・リメイクサービスを提供する。その隣には、リサイクルボックスを通じて回収した古着をセントラル・セントマーチンズ芸術大学の学生がアップサイクルした作品も展示されている。
裏手からも自然光が差し込む開放的な店内をつなぐ中央階段には、国立近代美術館テート・モダンとのパートナーシップによる16~25歳の若手アーティスト3人による作品を展示。ローカルコラボレーションを通じてロンドンとのつながりをアピールする一方、天気予報とともにアイテムを提案する映像パネルの設置などユニークな試みもある。