ユニクロ、ソーホー店を大幅改装

2016/09/02 12:12 更新


 【ニューヨーク=杉本佳子通信員】ユニクロのソーホー店が開店10周年を迎え、2日にリニューアルオープンした。「ア・ニュー・トーキョー・イン・ソーホー」をコンセプトに、ユニクロが日本のブランドであることを強調しながらリ・ブランディングを目指す。今までにない商品やディスプレーを導入し、12のショップ・イン・ショップを設置するなど、新しい試みが目立つ。

 売り場面積は2574平方㍍から2673平方㍍に増えた。12のインショップはアスレジャー、部屋着、「ヒートテック」「ウルトラライトダウン」、キッズなどに区分けされているが、”トーキョー”を特に強調しているのは、東京で流行中のコーディネートを見せる「トーキョー・メン」。ジョガーパンツにニットや大きめのカーディガン、MA‐1、デニムジャケットを合わせた着こなしを紹介している。

ユニクロソーホー01
トーキョー・メン


 米国ユニクロの滝寛志CEO(最高経営責任者)は、「東京=かっこいいという声は、従業員からもお客さんからも上がっている。日本の文化を広く知ってもらいたい」と話した。7月にオープンしたフロリダ店でも、「東京」と書かれたTシャツ、小さいもの、クラフトマンシップや技術が表現できているものが喜ばれるという。

 さまざまなジャンルの日本の雑誌60以上を紙風船や和食器、レトロなミニカーなどとともに配置した「トーキョー・ニューススタンド」も人気が出そうだ。商品のそばにも、随所に日本の雑誌や絵本を置いている。9月の毎週末はブルックリンの「マッチャバー」が期間限定店を出し、午前10時から午後1時まで抹茶ドリンクを無料で提供する。

ニューススタンド
トーキョー・ニューススタンド


  ソーホー店は女性客が男性客より少ない事情もあった。そのため、メンズを2階から地下に移動し、2階にウィメンズとキッズを置いて、より明るい環境で女性客が買い物できるようにした。ソーホー店は5番街店より高感度な商品が求められることから、ディスプレーは従来よりファッション性を高めている。滝CEOは売り上げについて、「(従来の)1・4~1・5倍はいかないといけない」と話した。

 ソーホー店がリ・ブランディングに力を入れる背景には、モール店の苦戦がある。滝CEOは、「ニューヨークの3店舗は順調。この大きさを生かして、商品のラインアップを見せていくことが大事」と語り、大型店舗でブランディングをきっちり進めることが、モール店とECでの知名度と売り上げ向上につながると期待する。

 当面の最重要戦略は、「いつまでに何店舗オープン」ではなく、「各主要都市に大きな店をつくること」だ。大型店は約1500~1650平方㍍だが、今後は2600~3300平方㍍級の店を増やしていく。滝CEOがその規模の店が特に必要と考えているのはロサンゼルスで、2年以内に出したい考えだ。

  米国での店舗数は9月2日時点で44店で、今秋デンバー、ワシントンDC、ボストンに約1000~1300平方㍍の店をオープンし、年末までに47店にする。加えて、今月カナダに初出店し、モール内に2店オープンする。

 



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