ユニクロは現代アーティストのKAWS(カウズ)と協業したニットコレクションを11月21日から販売する。KAWSはユニクロの「アーティスト・イン・レジデンス」にも就任した。グローバルSPA(製造小売業)と世界中にファンを持つアーティストが組み、今後どんなことをやるのか。グローバー・ニコラスUT担当部長とKAWS本人が語った。
(柏木均之)
アーティスト・イン・レジデンスは新設のポジションで、協業パートナーの発掘やクリエイティブコンセプトの提案、各種イベントへの参画などの業務を担う。ユニクロはUTで様々なアーティストと協業している。手頃な価格で好きなアートが買えるのでファンは多い。16~24年までに7回企画したKAWSとの協業は世界的にヒットした。

UTでの実績を買われ、KAWSはユニクロのクリエイティブ活動を包括的に推進する役割に就いた。ニコラス部長は「KAWSは(ユニクロ以外のブランドを含めた)様々な協業を通じてアートやカルチャーをビジネスと結びつけてきた実績がある」と評価する。
「美術館やギャラリーと違い、ユニクロは誰にでも手の届くブランド。品質が良く、価格は手頃で若い人も手軽に買える」。KAWSも協業を通じて「自分の作品がバズる、という感覚をSNSではなく、リアルの店での販売で経験できた」と語る。
初のニットウェアコレクションは代表的モチーフの「XX」と「コンパニオン」をあしらったカシミヤセーター(税込み1万2900円)、ラムクルーネックセーター(3990円)、キッズ用セーター(2990円)、キャップや手袋などを企画した。

「自分の子供のためにもキッズセーターはどうしてもやってみたかった」と明かしたKAWSは、Tシャツ以外のアイテムを手掛けるに当たって「UTでやったことをリセットして、シンプルなアプローチを心掛けた」そうだ。
アーティスト・イン・レジデンスとして今後は「世界中の人たちにもっとアートを身近に楽しんでもらうために、Tシャツ以外のアイテムでどんなことができるか。物作りに優れたユニクロの人材と話し合い、見極めたい」という。
