ユニクロは10月末、東京・豊洲で、キャンプなどアウトドアシーンで使えるウェアの体験イベントを実施した。キャンプでユニクロを着る人が増えていることに着目し、機能性や価格の手頃さ、デザインや色の豊富さを改めてアピールし、秋冬物の販売を伸ばす考えだ。
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アウトドアのウェブメディア、キャンプハックと共同で行った調査では、キャンプ愛好者847人の92%がアウトドアシーンでユニクロ商品を「着用している」、89%が子供も「着用している」と答えた。着用理由は「機能性」が79%、「価格」が64%、「汚れ・損傷が気にならない」が58%だった。
コロナ下でキャンプを楽しむ人が増えたが、高価なアウトドア専業ブランドの服は汚れや傷が気になるからと、ユニクロを選ぶ人が増えたようだ。ただ、メインよりサブアイテムとしてユニクロを「活用する」人が65%に上るため、機能性の高さやコーディネートのしやすさも伝えることにした。
銀座店にキャンプシーンをイメージした売り場を作る際にも、協力を得たアウトドアスタイリストの近澤一雅さんに、ユニクロを使った初秋から晩秋、真冬と気温に応じたコーディネートを組んでもらい、豊洲のアウトドアパーク「ワイルドマジック」に展示。子供連れのSNSインフルエンサーを招いた。
会場では試着会を行ったほか、「ブロックテック」の生地で作ったテントを展示し、子供たちに水をかけてもらって防水性の高さを見せ、「パデッドブランケット」をハンモックに敷いて暖かさを体感してもらうなど、機能性をアピール。ユニクロのTシャツを使った絞り染め体験も実施した。
メンズ誌やアウトドア誌のスタイリングも手掛ける近澤さんはユニクロの服を「機能性とコストパフォーマンスが圧倒的に高く、どこでも買える」と評する。「高いアウトドアブランドは黒など無難な色を買ってしまいがちだが、ユニクロなら野外での視認性が高く、自然に映えて、気分も上がる明るい色が気軽に選べる」。
キャンプ人口は増えたが、一時のブームは沈静化しつつあるため、今後は「売り手やブランドの淘汰(とうた)が全体としては進む」との見方もある。ユニクロはサイズや色の豊富さと、手軽に買える強みを改めて訴求し、エントリー層からコアなファンまでキャンプ愛好家を幅広く取り込もうとしている。