今春夏の傘売り場 〝軽量〟が好調 晴雨兼用に支持

2018/08/28 11:00 更新


 今春夏、傘売り場で軽量傘が好調に売れた。関東では例年より早く梅雨が明け、猛暑や突然の雨に折り畳み傘を携帯する傾向が強まっていることが背景にある。

(関麻生衣)

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 ロフトでは「吹き出し型のポップで重さを表記するなど商品特徴を分かりやすく提示し、超軽量の利点を訴求して奏功した」。

 今春夏の動向として、軽量でも晴雨兼用のタイプが支持されたのも特徴だ。女性だけでなく、酷暑に備えて日傘を買い求める男性の消費も捉えた。

 百貨店で堅調なのは「マッキントッシュ・フィロソフィー」の「バーブレラ」(ムーンバットが企画)。英国トラッドの上品さとユニセックスな色柄を強みにする。ギフトのニーズが強く、30~40代を中心とした幅広い世代に受けた。

 バーブレラは2種あり、50センチで重さは約82グラムと55センチで約95グラム。生地は無地が10 デニール 、柄物が先染め30 デニール の高密度ポリエステル糸使いで、カーボンファイバー骨で強度を保つ。UV(紫外線)カット機能を備えて晴雨兼用で使うことができ男性客が日傘と兼用して購入するニーズもあった。

 売れ筋は紺やダークグレー、紫、チェック。来春夏は女性に向けたフェミニンなデザインの企画も検討し、幅広い層に訴求する。

マッキントッシュ・フィロソフィーの「バーブレラ」。チェックや無地のネイビー、ダークグレーなどベーシックな配色が売り

 軽量レイングッズ「スーパーライトシリーズ」を企画したのはビコーズ。傘に必要な強度は保ちながら、豊かな色柄で若い女性に支持されている。

 最軽量は約69グラムの折り畳み傘。15 デニール ポリエステル糸のパラシュートクロスを使い、生地を軽くして強度を高めたのが特徴。傘の縁はヒートカットにして、余計な縫い目を減らした。骨の太さも前年までの直径9ミリから今年は7.6ミリにした。2900円。

 実用性のほか「青や緑、ピンクなどポップな色彩が若い消費者に受けた」。アイテムは折り畳み傘だけではなく、長傘(2500円)やレインパーカ(3900円)も新しく提案した。

ビコーズの「スーパーライトシリーズ」は軽さ、品質だけではなく、色柄が女性に受けている

 ワールドパーティーは自社ブランド「w.p.c」で今春夏から超軽量の折り畳み傘を販売している。コンパクトさが受け、トラベル需要も高い。

 「スーパーエアライト」(70グラムで3000円、76グラムで3200円)は独自に開発したカーボンファイバー使用の骨と15 デニール のナイロンで作った。耐久性や撥水(はっすい)、防水など傘に必要な性能は維持しながら、軽量化を実現した。強度は日本洋傘振興協議会などの基準をクリアしている。

 ほかにブランドオリジナルの柄を使った「エアライトアンブレラ」も好調だ。2月に発売してからの累計売り上げ本数は9万2000本。12色を揃えて女性に受けている。

ワールドパーティーが「w.p.c」で販売する「スーパーエアライト」。高い品質とコンパクトさが支持されている


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