ロシアによるウクライナ侵攻が始まって2年。ファッションメーカーの多い地域だけあって、パリ・ファッションウィーク中もウクライナの現状を伝える取り組みが目立っている。
ウクライナ発のリリア・リトコフスカによる「リトコフスカ」はプレゼンテーションの会場に、ウクライナの人々に向けたメッセージを募るコーナーを作った。エントランスエリアで来場者に配られた白いリボンには平和への思いがつづられ、大小の板を組んだトンネルにお守りのように結び付けられた。
新作はオーバーサイズのテーラーリングとカジュアルなデニムやスニーカーを重ねるスマートなスタイル。サテンやスパンコールのアイテムで艶やかさをプラスし、布の落ち感やたわみがリラックスムードを演出する。侵攻は続いているが、拠点のキーウはかろうじて生産や運営を続けることができるといい、取引を続けている日本の店もある。
雑誌『ヴォーグ・ウクライナ』は侵攻2年を機に、英国の写真家ブレット・ロイドによるウクライナで暮らす人々の生活を記録した写真を披露した。戦闘と隣り合わせの小さな街に暮らす軍人やアーティストの肖像画が展示された。
(青木規子)