上野商会が販売する米国ブランド「ショット」のレザージャケットが売れている。今年で創立110周年の歴史や高級感が、若者を中心とした新しい客層に注目され始めた。
同ブランドはバイカー向けの米国製本格ライダーズジャケットの名門として知られてきた。近年は昔ながらのどっしりとしたシルエットを細身にし、よりファッション性を高めている。
こうしたレザージャケットの売り上げが22年から伸びてきた。約12万~25万円と高額だが、19年比でも30~40%増ペースだ。
好調の要因は「服を買う機会が減った分、消費者は本物志向になった。長い歴史やアイコンのあるブランドには有利な時代。定番が多いため、在庫切れによる売り逃しがなかったのも良かった」と分析する。
コロナ下のバイクブームも追い風。同時期に始めたユーチューブでの発信も一役買い、芸能人のチャンネルにも取り上げられ、若い世代からファッションアイテムとしても認知されるようになったという。
特に売れたのは定番のダブルライダーズジャケット「ワンスター」。ハードな印象が若年層には新鮮に映り、年配の客には懐かしさで受けている。
日本企画のレザーウェアも伸び始めた。約2年前から強化しており、価格は米国製の約半分で、フード付きブルゾンやコーチジャケット型など、今っぽいデザインが特徴。エントリーモデルとしての役割のほか、米国製モデルを持っている客が買い足すことも多い。
今後は周年を記念した企画でさらなる認知拡大を進めつつ、レザージャケット以外のアパレルも強化する。