TSIホールディングスはグループブランドのスマートフォンアプリを、ネイティブアプリへ刷新する。画像やコンテンツ表示のスピードを高め、通勤など空き時間での閲覧性、購買までを加速し、実店舗への来店促進や指紋認証決済など近未来的な購買体験の提供を進める。
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ネイティブアプリ化は大手ECモール以外では先進的な事例。国内で広くサービス展開されているアプリは、ウェブアプリが多く、アプリ内でブラウザーによるECサイトを表示しているため、ネットワークのサーバー処理速度で表示時間が変わる。
ネイティブアプリは端末機器側の能力に依拠し、画像の読み取り速度は高まる。さらにiPhoneでサービス展開されているアップルペイの指紋認証などスピーディーな決済が使えるようになる。
同社は、既存顧客やファンと日常の接点となっているアプリをネイティブ化し、空き時間で多数の商品画像表示、ページ遷移速度を高める。また、使用する店舗登録での商品在庫表示や、位置情報を読み取ってのプッシュ通知、決済までのスピード化など、ユーザーの使いやすさ・購買の利便性を高め、顧客に日常的にアプリを使ってもらう。
ネイティブアプリの第1弾としてナノ・ユニバースが10日に先行して刷新。カートページはまだネイティブ化していないため、指紋認証など新購買体験提供までは至っていないが、ページ表示はこれまでより約1.7倍になったという。
18年1月中に東京スタイルの6ブランドでモール化し、ネイティブ化する。その後春までにローズバッド、マーガレットハウエルなどに広げていく。
TSI全体の今上期モバイル経由EC比率は74.2%(前期70.7%)、うちアプリ経由EC比率は14.8%(同6.1%)となっており、アプリを活用してEC・実店舗双方で顧客とのつながりを強化する。