東レ大矢社長「真のサステイナブルな会社に邁進」

2023/06/30 06:30 更新


東レ大矢社長

 6月27日付で就任した大矢光雄東レ社長は、「みんなが誇れる真のサステイナブル(持続可能な)な会社に邁進(まいしん)する」と社内に発信、今期から始まった新中期経営課題「AP-G2025」達成へ強い意欲を表明した。

 大矢社長は繊維事業の営業畑出身で、営業担当副社長を経て、27日に開かれた株主総会後の取締役会で正式に社長に就いた。28日まで開かれていた第13回東レ合繊クラスター総合展を視察、記者のインタビューに答えた。

 新社長として「AP-G2025を完成させることがミッション」とし、その上で長期ビジョンで描く「30年の絵などを確実にクリアしていく」と抱負を語る。前中計の反省点として、売上高は計画並みだったものの収益がついていかなかったことを挙げ、新中計では、「価値創造力を強化し、量を売る」と明確な方針を打ち出す。

 同時に商品の価値を認めてもらい、これに見合う価格を設定する「戦略的プライシング」も重視。「顧客にとってどれだけ価値があるかを訴求する売り方」に力を入れる。

 繊維を中心に先行しているグローバル展開にも磨きをかけ、欧米向け輸出や中国の内需開拓に加え、インドなど新興国への事業拡大にも注力する。

 視察した東レ合繊クラスター総合展に関して「以前と比べ商品のデザインやパターンが洗練されている。サステイナブル素材の打ち出しに統一感が出て、時代の要請に応えるものになっている」と評価。「出口、商売の拡大にネックがあったが、東レインターナショナル、蝶理、丸佐、一村産業が積極的に参加している」と東レグループの商社群の取り組みを満足げに捉え、販路作りへの期待感を示した。

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