東急 東京・池尻大橋に複合施設 築48年の宿泊施設を再生しアート発信

2023/08/21 06:28 更新


1階のイベントスペースでは同館をテーマに10人のデザイナーがデザインしたTシャツを展示・販売

 東急は8月18日、東京・池尻大橋(目黒区)に新複合施設「大橋会館」をグランドオープンした。築48年の同名の宿泊施設を東急が取得、クリエイターらと協業して「街に開き、街と外をつなぐ新たなコミュニティーの場」としてリノベーションした。5~10年を目安にした期間限定施設となる。

(有井学)

 企画・デザイン会社の301(東京、大谷省悟CEO=最高経営責任者=兼プロデューサー)が全体をプロデュースし、用途ごとに複数の企業が企画・開発に参画した。地下1階~地上5階で、延べ床面積は約3735平方メートル。

 床のカーペットを残したり、インテリアを再利用するなど「建物の元々の良さを継承」しながら、新しさを加え、用途を広げた。地上1階を東京・日本橋の人気カフェ・ベーカリーなどを運営する企業によるカフェ・バー・レストラン「マッシーフ」と、クリエイティブ企業「CEKAI」による物販・イベントスペース「CEKAI大橋会館」、2~3階を共用ラウンジを備えたシェアオフィス、4~5階を宿泊に加え、長期滞在可能な「住む」プランがあり、ワーキングスペースやキッチンなども備えた「ホテルレジデンス」とした。5階には一般客も利用可能なサウナも入れた。

ホテルレジデンスのラウンジ

 CEKAI大橋会館はアート作品などの展示や音楽、映画上映を含めたイベントができる多目的スペースと物販コーナーで構成。物販では同館のオリジナルグッズのほか、イベントスペースでの展示作品などを販売する。

 第1弾企画展として、全10人のデザイナーが同館をテーマにデザインしたTシャツを展示し、販売している。

 シェアオフィスやホテルレジデンス、サウナでアーティストの作品を展示するなど館全体としてアートの発信を重視した。サウナでは近隣の三軒茶屋のレコード店が室内音楽を担当した。

 東急は渋谷駅周辺1.5キロ圏を「広域渋谷圏」とし、複合的な新たな街作りを推進している。今回のプロジェクトはその一環。「池尻大橋らしいクリエイティブなミクストカルチャーを体験できる施設とし、地域の関係人口を増やし、将来の発展につなげたい」としている。

共用スペースも充実した(2階シェアオフィスのラウンジ)


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