高度経済成長期からバブル崩壊、リーマン後の消費不況など日本のアパレル産業の盛衰とともに歩んできた東京ソワールの萩原富雄会長。3月29日付で退任する。
アパレルの市場について、「人口が減り、可処分所得も減っている。他にお金がかかるものも増えた。低価格で服を売る業態もどんどん出てきている。マーケットは大きくならない」と話す。
危惧するのは、「ファッションの大きな流れとしてカジュアル化へと進んでいる。ビジネスシーンでもスーツをきちんと着ている人は減っている」こと。「服が売れるということは、TPOが確立しているということ。フォーマルだけでなく、アパレル業界をあげてTPOに合った着分けを提唱する必要がある」と強調する。
「ファッションは究極の無駄で、自己満足のためのもの。だからこそ、人間らしく、一番大切なこと」。ファッションの喜びや楽しみを伝えることが、アパレル業界の将来を創造するために欠かせないと語る。
萩原富雄会長