東京ブランドの23年秋冬は、テーラード仕立てを生かしたマスキュリン&フェミニンのスタイルがトレンドになっている。モノトーンが軸となって、強いイメージを出しながら、女性らしい素肌の存在を主張する着こなしが広がった。メリハリのあるウエストの線も大事な要素だ。
（須田渉美）
「ザ・リラクス」（倉橋直実）はテーラーリングをテーマに、シルエットにこだわるクリエイションを掘り下げた。ダブルブレストのジャケットなどユニセックスのアイテムも多いなかで、ウィメンズのフェミニンな色を濃くしてメリハリを付けた。その一つがコンパクトなシルエットだ。ドレープの利いたトラウザーも揃えているが、膝上丈のドレスやマリンスタイルのスカートを差し込んで、きりりと見せる。ハリのある生地を生かし、立体感のあるモダンなフォルムに仕上げている。また、スタンドカラーやバルカラーなど基本のスタイルに加え、首元にスカーフ型のディテールを添えて女性らしい品格を感じさせている。
「ビューティフルピープル」（熊切秀典）は、ユニフォームとダイバーシティーの相互関係に着目し、オーセンティックなアイテムに多様性を表現した。テーラーリングを軸にしたセットアップは、深いVネックにセーラー服の襟を付けてセンシュアルなムードに。ステンカラーのコートは襟が広くなって大きめのフラップポケットが付く。子供のころに着た服のエッセンスも反映した、園児の制服のようなバランスが楽しい。
