東京ブランドの21年秋冬向けは、一つのスタイルに限定されない、新しいバランスを試みる傾向が目立った。コロナ禍の制限された環境でも、自由に装う気持ちの良さを感じてもらいたいとリアルクローズに引き付けたユニークな世界を表現している。フェミニンな中にアクの強さも備えたイメージも広がっている。
(須田渉美)
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「アキコアオキ」(青木明子)は、今の深刻さを打ち破るかのように「カテゴライズされずに、肩の力を抜いて楽しめるファッション」をやんちゃなムードで表現した。青木の原点でもある制服の要素は残し、ラフで強めの色彩が加わって不良少女のよう。ピンクのまだら模様のストレッチメッシュを使ったタイトドレスに、シュミーズを重ね着したり、ハーネスベルトのようなアクセサリーを着けたり。20年春夏に見せた女々しさとは裏腹に、パンキッシュな強さとともにフェティッシュな一面をのぞかせた。今シーズンから「地続きなデザインを提供する」姿勢を明確にしてコレクションナンバーを追加、表記を「21年秋冬OP.,14」としている。