オンワード販売の米「トッカ」 毎年増収、好調続く

2017/07/24 04:29 更新


 オンワード樫山が販売する米ニューヨーク発レディスブランド「トッカ」が好調だ。10年に販売を開始して以来、毎年増収を達成し、今春夏(3~6月)の売り上げも前年比5%増で推移。ブランドを象徴するアイテムであるワンピースを中心に販売が好調で、EC売り上げも拡大している。

 EC売り上げはここ2年で大きく伸長。EC化率は17年2月期が23%、今期は3~6月で29%まで伸び、通期では30%を超える勢いだ。実店舗は店舗数が24と変わらず、伸び率がやや鈍化しているが、EC売上高の拡大が全体の売り上げを押し上げている。

 直営ECサイト「オンワードクローゼット」では、限定色を中心に限定商品を年間30~40点販売しており、刺繍ワンピースは先行予約段階で売れている。店頭スタッフを含めてオムニチャネルに積極的に取り組んだ結果、店頭からECへの送客も増えているという。3月には、会員向けポイントサービス「オンワードメンバーズ」の会員がよく行くショップを登録し、ネットで買い物をするとそのショップにも売り上げが計上される「マイショップ制度」を導入。同社のブランドの中で、トッカが最もマイショップ登録数が多いという。

 今春夏の売れ筋は、強みとする刺繍ワンピース。ワンピースは売り上げの44%を占める主力アイテムで、3~6月の売り上げは6.9%増だった。刺繍のトレンドも追い風となり、特に5月は「商品が足りないくらい」(髙橋純TOCCA事業本部長)だった。刺繍入りのアイテムではスカートとブラウスも好調で、両アイテムともに売り上げは前年比2ケタ増となった。テキスタイル専門のデザイナーを擁していることが他ブランドとの差別化につながっており、今後も独自性の強い商品開発に力を入れる。

 今春から販売を開始したバッグも順調に立ち上がった。一部直営店とECで展開しており、服よりも若い客層をつかめている。今秋には百貨店に期間限定店を開設する予定で、その結果を踏まえて来春に本格拡大する構えだ。比較的客層が限られる服に対して「バッグを拡大することで、ブランドをもっと幅広い層に訴求したい」とする。

 今秋は主力アイテムであるワンピースとアウターの販売に力を入れ、売上高は10%増を目標とする。来秋には新しいコンセプトショップを開設する計画もある。

売り上げをけん引している刺繍ワンピースは、ブランドを象徴するアイテムとなっている



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