100年の重み(古川富雄)

2013/08/09 17:11 更新


神戸・元町にある老舗書店、海文堂書店が今年9月に閉店することになりました。1914年創業なので、来年100周年となるはずでした。港・神戸の書店らしく海事関連書籍の店として始まったそうです。95年の阪神大震災の時はいち早く店を開け、私たちを励ましてくれました。その後は阪神大震災のコーナーが同店の特色ともなりましたが、活字離れ、電子書籍の普及(言い古された表現ですが)などに押されたということです。

同じように、わがFB業界で100周年を目前に破綻した企業があります。3年前、創業99年目で破産した千代田帽子(兵庫県西宮市)です。その千代田帽子の木型、機械、職人を引き継いで同じ西宮に帽子の新工場=写真=を開いたのが、「カシラ」のウィーブトシ。日本の帽子技術を引き継ぎ、新たなメイドインジャパン製品の取り組みを進めています。

そして、ウィーブトシは創業80年を数えた老舗帽子店「銀座ボーグ」を引き継ぎ、今年6月カシラ銀座店としてリニューアルしました。旧店舗のベテラン販売員も配置し、クオリティの高い帽子店として継続する意気込みです。日本を代表する商業立地ですから、100年、200年と続く店になると良いですね。

 




古川富雄 大阪支社編集部長が、関西のファッションビジネス情報の周辺、裏を紹介



この記事に関連する記事