田村駒、独自の機能素材を充実 スポーツ以外に用途広げる

2024/11/26 06:28 更新


3種類以上の機能を付与した素材群「ターム」を立ち上げた

 田村駒は、アパレル製品OEM(相手先ブランドによる生産)で独自の機能素材を充実している。活用が先行するゴルフなどスポーツやアウトドア用途に加え、ワークウェアやユニフォームなど幅広い分野への拡販を目指している。

 このほど東京本社で初のアクティビティー展を開いた。機能素材の充実を訴求するため、今期から3種類以上の機能を付与した素材群「ターム」を立ち上げた。「機能性、素材感、コストのバランスに優れたトリプルAの快適素材」と社内基準をクリアした生地のみを集める。機能面では3種類以上を付与するが、必要以上の機能を付けないで環境配慮や生地の風合い、コストも意識した。素材感では耐久性や着心地の良さにこだわり、国内外のサプライチェーンの活用で適正なコストで提供する。

 タームは、ポリエステルやナイロンが主軸で、日本製を中心に中国、一部ベトナム生地がある。ワーク、ユニフォーム向けで引き合いのある綿調ポリエステルを中国で備蓄したり、スポーツ、アウトドア向けで人気のスパン調ポリエステルをワーキング分野などに広げる。

 猛暑対策も充実する。機能では汗染み対策や吸水速乾、紫外線カット、透け防止などが中心。中国製のポリエステルが軸でカットソー製品向けが多い。

 接触冷感シリーズの新素材「グレーシャ」は、後加工で綿100%の生地に機能を付与する。

 高通気素材は、ポリエステルでカットソー製品向けを充実したり、ポリエステルの経編み「コンフィール」やリサイクルポリエステル「C2C」のトリコットを揃えた。

 秋冬向けの中心は発熱素材「フレア」シリーズ。主力の中わた用途が好調で、セレクトショップ向けやテレビ通販向け、ゴルフ用途など幅広い分野に売れている。丸編みも開発し、インナー向けも開拓したい考えだ。冷気を遮断するエアロゲルをフレア中わたで挟んだ蓄熱素材を開発した。アウターに加え、キャンプ用具向けも狙う。



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