ユニセックスの服や靴を企画・販売するイオリプロダクツ(岡山市)は、輸出に手応えを見せている。倉敷市の靴メーカーと協力して生み出した靴の「タビト」は、6月にパリの「ウェルカムエディション」に出展し、受注が予想以上だった。
20~21年秋冬にスタートしたタビトは、ミリタリーシューズを題材にしながら、アッパー、ソールともに足袋の形をしたデザインが大きな特徴だ。さらに、アッパーにエアバッグから取り出される廃棄物を活用したリサイクルナイロンを活用していることから、海外バイヤーの注目が集まった。
24年春夏物では、新たにアッパーにリサイクルナイロンを全面に使用してツートンカラーで仕上げたもの(税抜き2万5000円、ハイカットは2万6000円)、帆布とスエードを組み合わせたもの(2万4000円、2万5000円)などを新たに打ち出す。リサイクルナイロンを使ったシリーズは、これまでスエードとの組み合わせが中心だったが、全面にリサイクルナイロンを使うことで、よりインパクトのある素材感を実現する形になる。
6月のウェルカムエディションでは、欧米バイヤーはこのリサイクルナイロンのシリーズに、アジアのバイヤーはレザーを使用したシリーズに特に関心が高かった。初の海外展だったが、受注は取れ、ブランドの売り上げの半分近くを海外が占めるようになった。
今後も輸出拡大をにらんでおり、24年1月も同展に出展を計画している。タビトだけでなく、服の「イオリ」についても海外に売り込みたい考えで、「日本の伝統技術を生かした物作りを盛り込むなど、これから思い切った企画へと振っていきたい」(越智輝佳代表)と話す。