ECシステム開発のバニッシュ・スタンダード(東京)がコーディネート投稿アプリ「スタッフスタート」に今年3月に追加した「バイヤー機能」が、アイテム・色柄での適正生産数量設定で効果を上げている。
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先行導入のアダストリアでは、「ローリーズファーム」で販売したワンピース9柄のうち、売れ行き予想が一番高かった柄を大幅増産し、ほぼすべてをプロパー消化。利益を底上げする好事例も出てきた。
バイヤー機能は、業務支援として適正在庫とプロパー消化率向上を目指したもの。販売前の商品サンプルをアプリ上で開示し、販売員に「売れる」「売れない」予測をしてもらい、その結果をリアルタイムでデータ化する。客の好みや要望を知る販売員が、色柄単位で予想し、本部MDはその結果を生産数量の判断基準にできる。アダストリアは導入して約9カ月。以前は年数回の社内展示会で販売員から商品への意見をヒアリングしていたが、多くの販売員が使用するアプリ上に頻度高くサンプルを開示し、予測データを取っている。
今秋冬のローリーズファームのワンピースのほか、「売れない」予想が多い商品群も企画を修正して投入しており、販売員の声がMDと連携できたという。
バニッシュでは、スタッフコーディネートに不慣れな販売員でも、バイヤー機能を使うことで分業にも期待できるという。「スタイリングにたけたインフルエンサー能力だけでなく、スタッフの売れ筋予測能力を見える化できるツールになった。今後は予測精度を算出した『目利き機能』も追加し、バイヤー登用支援につなげていきたい」(小野里寧晃社長)とする。