地方の専門店が東京や実店舗以外で期間限定店やイベントを行うケースが増えている。ネット販売やオンラインを活用した情報発信、より個性や楽しさを求める客などで、以前のような足元商圏だけはなく、顧客が広域に広がっていることが背景にある。直接、客とのつながりを大事にすることで、さらにファンを増やしている。
シトロン(浜松市)
モノと人を直接つなぐ 地元商品の魅力伝えたい
静岡県浜松市のメンズセレクトショップ「シトロン」は長沼巧佑代表が独立前、長年にわたり東京・上野のセレクトショップ「フリーポート」で店長を務めていたことから、東京エリアにファンが多いため、東京で期間限定店を定期的に開催する。
トラッドやアイビーベースの長く着られる普通の服を揃える。客層は40~60代の大人の男性が中心。22年3月に開業したばかりで、前職の関係で東京に顧客も多いことからEC比率も高い。期間限定店という形で東京に出向くことで、「ネットだけでは分からないサイズ感、素材感を実際に手に取り確認してもらえる。普段、会えないお客様と対話・接客し、どのような体形、好みかを把握。その後の問い合わせで、よりお客様にフィットした商品を届けられる」という。また、同店の地元である「遠州織物の素晴らしさを体感してもらいたい」との思いも強く、「モノと人を直接つなぐ良い機会」と考えている。
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