ショウタヒヤマ(日山翔太)の27年春夏コレクションテーマは「ネームレス・ライン」。2シーズン掲げてきた「人生探検家」の世界を発展させ、自ら地図を描きながら旅に出る姿をテーマに据えた。
(森田雄也)
異国の空気感
27年春夏コレクションは点と点がつながり線となり、やがて地図を描いていくという発想から生まれた。ボーダー柄やストライプ柄を象徴的に使い、旅先で感じた異国の空気感を落とし込んだ。
主力商品の一つがカンフージャケット(税込み6万6000円)。カンフー服を再解釈し、立体ポケットやアーチ状の裾、丸みのあるシルエットを採用。チャイナボタンも既製品ではなく自ら編み込んで製作した。広島県産デニムを使用し、日本製素材の魅力を生かしながらブランドらしい異国情緒を表現する。
Tシャツ(1万6500円)は3型。描き下ろしたイラストを大胆な総柄でプリントした。メインモチーフは犬で、ストライプ柄の地図をくわえたデザインが特徴。旅人を目的地へ導く存在として描いた。プリントサイズをあえて大きくし、一般的なバランスを崩すことで独特の違和感を演出した。90年代のシングルステッチ仕様も採用し、ビンテージ感も高めた。
ボーダーニット(3万5200円)は一宮の撚糸工場が開発した糸を使用。中国で編み立てた綿100%ニットに手刺繍を組み合わせ、価格を抑えながらクラフト感を表現した。
パンツでは広島県でニドムバイオ加工を施したデニムショーツ(5万5000円)を展開。葉や雲をモチーフにしたパッチワークや方位を示す刺繍で地図の世界を表現した。ストライプ生地の極太パンツは前後にタックを入れ、裾のドローコードを絞ることでアラジンパンツ風のシルエットにも変化する。

細部にこだわり
新たな提案としてパンツとウエストポーチ(1万6500円)のセットアップも打ち出す。旅をテーマに、パスポートなどを収納しやすい仕様とし、テープ使いや付属の缶バッジなど細部にもこだわった。
さらにブランド初となるミサンガ(1万3200円)も発売する。東京で30年以上活動する職人と協業し、手編みで製作。奈良のジュエリーデザイナーが手掛けたピースマークのチャームやハートのボタンを組み合わせた。
今年6月にはアトリエを移転・拡張。物作り機能の強化とともに、ワークショップなどを通じて服作りの魅力を発信する拠点として活用していく。
新アトリエはJR岐阜駅から徒歩約5分のところに構える。広さは従来の約3倍となり、生地保管や裁断、アイロン作業のスペースを確保し、生産効率を高めた。これまで5台だったミシンも9台に増設し、本縫いや2本針オーバーロック、刺繍機などを配置。自社ブランドのサンプル製作に加え、15着程度までの小ロット生産や手作業の多い複雑な製品にも対応できる体制を整えた。
来年3月をめどに、消費者向けのワークショップ開催も計画。ミシン未経験者でもポーチ作りなどを体験できる場として活用する考えだ。
